考査・ノウハウ・備忘録
注:このページは、私の車に対して記載している物で、どの車にも当てはまる事ではありません。実施した場合の故障などは、自己責任でお願いします。また、STDエンジンしか記載しておりませんので、Type-S(High Power)は、ご自信でお調べください。
過給機と言われる通り、強制的に過給するのだが、基本メーカーからの条件はノーマルでの装備である。このBLITZのスーパーチャージャーには、回転数、アクセル開度をそれぞれ取得する機器が付属しており、その両方を統括する様な燃調制御機器がある。つまり、アクセル開度40%以上を検出し、回転信号と合わせて燃調をしているのである。が、この燃調が、吸気・排気系をいじってあると、大幅に燃調が合わない為、高回転域で薄くなり、息継ぎの様な状態になる。つまり、ノッキングが発生する。
また、DUAL-SBCブースト圧コントローラが付属している。が、点火タイミング等を変更しないと、ブースト圧を変更しただけでは、ノッキングを伴う抵抗がある様な加速になる。しかしながら、マニュアル指定の0.37〜0.42hkPaにセッティングするのは、吸排気系をいじってある場合、簡単に超えてしまう。BLITZ曰く、0.5や0.6位になる事もあります。らしいので、ノッキングが出ないまでは、問題が無いと思われる。
BLITZ SuperChagerマニュアル : http://www.blitz.co.jp/Operation-manual/comp/CPS_10151_10162.pdf
DUAL-SBCマニュアル : http://www.blitz.co.jp/Operation-manual/electonic/d_sbc_sr.pdf
接続はこうなっている。実は、サブコンを装備する場合、これがネックとなる。つまり、いくら燃調を調整しても、上手く調整が出来ない。このコントローラーより、PCM側にサブコンの配線を割り込ませても、良い結果は出せない。このコントローラーの燃調がどの様になっているかも分からないと言う事実も困難を広げる要因となってしまう。
スーパーチャージャーを装備し、吸排気系を変更する場合、サブコンの装備が必須であり、このコントローラ系は取り除く事が必要だと考える。実質的には、燃調をコントロールしている機器のみがコネクタで接続されているので、それだけを取り除く方法で、同じ結果を得られる。
何事もそうであるが、根本を知らなければ、それ以上の事は出来ない。電子機器を接続する場合、その配線図を手に入れなければ何も出来ないのである。RX-8の場合、CAN通信を一部に使用しているが、基本的なエンジン周りの配線は、従来のそれと、差ほど変化は無いと思われる。
CANを使用している部位は、EPS Control、TCM、ABS、DSC、KEYLess Control、TPMS Control、Steering Angle Sensor、Instrument Clusterである。つまり、横滑り安全装置やその周りのトラクションコントロール、キーレスエントリー、ステアリングアングル、車速、回転数位なのである。しかし、一番厄介な物がそれに入っている。車速である。、車速がこのCANコントロール中に存在する為、スピードリッミターが解除し難いのである。解除する場合、CAN_H、CAN_Lを使用して通信しているので、車速データのみを抜き出して、加工した後、元に戻すという行為をしなければならない。CAN通信は、ISO 11898で規格化された高速シリアル通信なので、基本コマンド通信である。アナライザを使用すれば、一目瞭然で何をしているのかが分かるのである。プロトコルは、シリアル通信で良くあるSOF-Arbitration-Control-Data-CRC-ACK-EOFという感じで、どんな時に何が入っているかが、分かるだけで全てが把握できる。
難しい訳ではない通信だが、プロトコルアナライザの準備と解析、CANプロトコルChipの入手とそのファームの作成等にコストがかかる為、着手する企業が少ないのだと考える。スポンサーさえ居れば、数ヶ月で商品化する事が可能であろうと考える。
また、CANに含まれる回転数だが、実際には点火信号やカム角等で取得する事が出来る。サブコンによっては、それを利用している。
海外仕様のRX-8でよければ、サービスマニュアルは、WEBで手に入れる事ができる。消去されると困るので、敢えて記載は避ける事にする。
基本的レイアウトは、この様になっているが、実質的には、取り付ける電子機器に合わせて細部を調査する事になる。PCMに記載されている記号は端子を表す記号で、コネクタを介して接続する事となる。
実質使用するであろう端子は少なく、電源・グランド・インジェクション・点火・エアフロ・水温・吸気温・カム角・ノッキング・アクセル開度等であろうと思われる。それ以外に、冷却ファンや油圧、フューエルセンサー等が必要かもしれない。
これは、HowTo物になってしまうのだが、ちょっとした小細工でより高信頼な状態にできる事がある。ギボシ・ハンダがその代表的な物ではないだろうか。
・ギボシ
通常の言い回し:オス・・・差し込む方。メス・・・差し込まれる方。となっています。コネクタなどでも穴が開いている方がメスで、端子が出ている方をオスといいます。
使用する部材:電子ペンチ、ギボシ端子(オス・メス)、スリーブ(オス・メス)、配線
@配線を電子ペンチで皮むきします。約5mm程度被覆を剥がします。
Aスリーブ(保護用のビニールカバー)を入れます。通常、オス用は短く、メス用は長くなっています。
B配線をギボシ端子に差し込みます。
※ここで、一工夫。通常、そのまま直線にした状態で圧着しますが、配線を一曲げして圧着してください。配線の抜けは皆無に等しくなります。
C圧着します。通常2箇所カシメます。
※圧着用の電子ペンチは、良い物を使いましょう。安物だから悪いといっている訳ではなく、カシメた時にギボシ端子の圧着部が綺麗に丸まる物が良いペンチです。ギボシ端子等とセットになって付いている物には、粗悪品がある場合があり、カシメた時にギボシ端子の圧着部が折れ曲がる様にカシメられる物があります。これは、配線を傷つける要因がある他、スリーブに穴を空けてしまいショートする危険性があります。また、スリーブを入れ忘れて圧着してしまった場合、ギボシを切断して、やり直しても良いですが、後入れ用のスリーブも販売されています。
※常識的にされている事柄。マイナスの接続は、どちらがオスメスになっても問題はありませんが、プラスの場合だけ気を付ける事があります。必ず電源側にメスが来る様にしなければいけません。メス側のスリーブは長く出来ていますので、圧着後端子をスリーブに収める事が出来ますが、オス側は金属の端子が露出していますので、ボディなどの金属部分に触れた場合、ショートしてしまいます。危険回避の為に必要な事柄です。
・ハンダ
綺麗な仕上がりのハンダの仕方:
車の場合、配線同士をハンダ付けする事が一番多いと思われる。良くされる光景として、配線同士を重ね合わせてハンダを付ける方法であるが、ハンダが溶けるまでの間に、加熱が多くなってしまい、配線の被覆を傷めてしまう事があります。また、より以上のハンダが付着し玉ハンダにもなります。見た目にも悪いですし、振動等でハンダ自体に割れが起こったり、配線に傷をつけ断線する恐れがあります。
※まず、配線一本ずつをハンダ付けします。配線には最小限の熱でハンダがまとわり付く様に綺麗に出来ると思います。その配線のハンダ部を合わせて、ハンダゴテを少し当てるだけで二つの配線は綺麗につながります。最小限のハンダ量で済むばかりではなく、確実にくっ付ける事が出来ます。
※ハンダで接続した配線は、金属部が露出した状態になります。その部分には、ハーネステープや、熱収縮チューブ等で保護する必要があります。
・熱圧縮チューブ
幅広い口径のチューブがありますので、配線を束ねたり、コネクタの保護等にも使用できます。
配線の接続自体、簡易的なもので良い場合にも使用できます。配線は多めに被覆し互いを絡める様につなぎ合わせます。その上から熱圧縮チューブで圧着してしまう方法です。配線同士の絡めあわせ次第では、ハンダの信頼性に匹敵する強度と導通性が得る事ができます。
また、配線の認識用に使用する事も出来ます。「電源」や「アース」と言った様に文字を配線に付けるのです。テプラ(キングジムの登録商標)用に出ている物もあり、テプラで印字した後、配線に圧縮して密着させます。カー用品店ではなく電気部品を扱っているお店で手に入れる事が出来ます。
手軽な方法として、透明な圧縮チューブを使用し、認識名を記載した紙を配線との間に入れて圧縮させる方法です。手軽ですが、配線の太さにあった紙に文字を書く事が手間作業となります。
施工時は、どの配線にどんな信号が来ているか把握しているものですが、時が経てば曖昧になります。紙に配線図を記録しておく手もありますが、紙の保管が必要となります。配線一本ずつが識別できる様にしておく事がトラブル防止にもつながります。
バッテリーサイズを忘れてしまう事が多いので、ここに記しておく。
46B19Rとした場合。
46 B 19 R それぞれで意味がある。
・46
バッテリーの性能ランク。総合性能を意味し、始動性能・容量を表している。数値が大きくなるにつれ性能が良くなり、50未満は2刻み、それ以上は5刻みで表される。
・B
バッテリー幅・高さの表記
単位(mm)
記号 幅 高さ A 127 162 B 129(127) 203 D 173 204 E 176 213 F 182 213 G 222 213 H 278 220
・19
長さ。単位はcm。
・R
プラスの端子がある場所。+端子を手前にしてバッテリーを上から見た時の端子の位置を表している。